インドに行く人に読んで欲しい本

インドの時代 豊かさと苦悩の幕開け [単行本]
中村 岳志(たけし)著 2006年 新潮社
この著者の本は以前に、「ヒンドゥー・ナショナリズム ――印パ緊張の背景」(中公新書ラクレ/2002年)という本を読んだことがあり、「若いのに突っ込んだ取材と分析力がある」と、関心したことがありました。
この本では、「インドの今」を描いています。隣に住む人の顔も知らない都会の中流階級の若い夫婦の生活など、読み進むうちに日本の問題点のことを読んでいるような気分になりました。「悠久のインド」は田舎に行かなければもう無くなっているのかもしれません。
20年数年前に、その少し前まではインドのテレビチャンネルは1つしかなく、ほとんどの家にはテレビが無かった時代に、急に衛星チャンネルが導入されました。
その時に、これでインドの人たちの生活が劇的にかわるだろ。戦後日本人がアメリカの策略でアメリカの豊かさをテレビで見せつけられ、「自分たちもこうなるのだ。そのためには金を稼がばならない」と思わされたと同じことを経験するだろう。そして、日本がじっくり時間をかけて歩んだ道をインドは短期間に急速に歩んでしまうだろうと思った。古くからの知り合いで保守的な家もこの翌年にはテレビを買いました。それまでは夕食の後には車座になっていた家族がテレビの方向を見るようになっていました。その通りになったようです。
この本を読んでいくと、戦後日本で起こった様々な出来事と同じようなことが起こっています。貧富の差はますます広がり、核家族化は進むし、苦悩する人々(特に若者たち)は宗教に走ってしまう、などなど。。。。
日本では行き場を失った若者が新興宗教に集まりましたが、インドではヒンドゥー原理主義者(イスラム教と一緒の国を作ることを目指していたガンディーを暗殺したものこの団体の一員)が懐を広くして、上手くそのような人たちを集め拡大していっているそうです。
バラモン教の修正主義の様に起こった仏教も自らバラモン教を修正したヒンドゥー教に取り込まれました。インドで宗教を聞かれて、「仏教徒」と答えたら。インドの人たちは「仏陀はビシュヌ神の9番目の生まれ変わりだから、ヒンドゥー教の一派ね」と思われるように、バラモン教→ヒンドゥー教は歴史的にも柔軟な対応をしながらさらに発展してきました。その点、ヨーロッパのユダヤ教→キリスト教→イスラム教に繋がる一神教は全然違います。彼等はお互いに排除しあっているのは対照的ですが、原理主義となると、他の宗教には寛容ではなくなります。特にイスラム教にはインド国内に王朝を立てられたことがあるし、印パ独立の時のお互いの殺し合いもありました。そういう過去があるのでなおさらイスラム教徒には厳しくなってしまいます。
とにかくインド旅行をしたいに人たちのとっては、旅行案内書は必要でしょうが、このような現代インドを知ってから行く方がインドの今を見ることに役立つと思います。
ネットで調べたら、新刊はもう売り切れてしまったようで、中古しか残っていませんが、値段がなんと1円(!)+送料で買えます。是非是非読んでください。
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4103027517/indoto-22
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はるばる屋 店主

Author:はるばる屋 店主
はじめまして はるばる屋店主です。

大学を卒業して、スイスに山を見に行き、安いというだけの理由で、陸路でアジア経由で日本に帰ってきました。
途中で垣間見た現地の人々の生活や習慣に非常に興味を持ち、

もっといろいろ知りたい

それにはもう一度行かねばならない

そうだアジアに関わる仕事をすれば良い

という三段論法と、

アジアの素晴らしさをもっと他の人にも伝えたい、それにはどうするか?

そうだ!現地に行って商品を買ってきて売る商売をすれば、自分はアジアに行けるし、彼らの文化・技・手のぬくもりを伝えられる。

などと考えて始めたこの商売。
気が付けば、もう30年以上も経ってしまいました。

アフガニスタンで何かあると、「あのおっさんは大丈夫だろうか?」、タイで爆破事件が起きると、「あの場所は、タイに行くと何回も利用する船着場」とか、何時もアジアのことを意識しています。
昨今、ベリーダンス、ヨガなどに人気が出てきました。でも、アメリカ経由の流行という感じもします。まっすぐアジアに興味を持って、好きになってくれる人たちが増えると嬉しいです。

はるばる屋のホームページは、http://www.harubaruya.com/ です。
ネットショップでのお買い物は、こちらからお願いいたします。
BBSでは、アジア関係の催し物の書き込みもご覧いただけます。

よろしくお願いいたします。

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