本の感想文 『東南アジア食紀行』森枝 卓士著 

書評というほど大げさなものではないので、「感想文」にしました。

「徳間文庫 『東南アジア食紀行』森枝 卓士著 1980年12月15日初刷 667円+税」なる本を、10年振りくらいに再読しました。

「食紀行」なので、食べ物の写真が多い。昼食時に読んだので、ラーメン屋さんではともかく、スパゲティ屋さんとか日本料理屋(定食屋)さんでは、何となく違和感があり、写真のページは開かないようにしました。

実は、自分としては食というものにはあまり興味が無いというか、「お腹が空くと、力が出なくなるので、食べなくてはいけない。不味いものは厭だ。自分の口に合うなるべく旨いものが良い」程度の感覚です。だから、例えばチャーハンの現地語などを憶えようともしない。メニューのあるところでは、「焼飯」、「Fried Rice」を指差すだけ。メニューの無い屋台風のところでは、食べ物を指差すだけ。時には、他人の食べている旨そうなものを指差して、次に自分を指差して、指を一本立てて、席に付けば、同じものが出てきます。

どっちかというと、注文を言葉で言ってしまえば簡単だけど、自分が店の人の何らかの接触を欲しているのかもしれないと思ってみたりもします。
そして、香港で中国の人は食べないと言われる焼き餃子を探すことに、2日かけたり、必死になってくだらないことをするという変な人でもあります。でも、見つけた時は嬉しかった。5皿食べてしまいました。

少しは現地の食べ物にも興味を持たなくてはいけないかもしれないと思ったのが、この本を買った理由ですが、このバンコクに住んだことがあるという著者は、文化、歴史などにかなり詳しく、これらと食べ物の間にどのような相互関係があるのか詳しく解説してくれているので、今まで自分が感じていた疑問の少しは解けたし、疑問にさえも思わなかったことの説明を読んで、「そうだったのか」と思うことが多かった。

この本では、写真家の彼がタイの北端のチェンライから、シンガポールまで、列車に乗り、その土地の一般庶民の食べ物の写真撮りながら、それを食べながら、それぞれの料理がどこの何と似ている、どこから来たのかなどの解説をしています。
例えば、日本人がバンコクに行くとよく食べるタイ風チャーハン(カオ・パット、今、Yahooで調べました)は、やはり伝統的なタイ料理でなく、「バンコクにたくさんいる華人(中国)の人たちが持ち込み、定着したもので、タイの華人は、タイ名を持ち、現地の人たちと同化している」とのことでした。

細かく歩いて地域の食をみていると、国境という線が人為的に引かれたものであるといことが分かるとも言っています。

歴史を感じさせられる例として、ラオスに初めて行った時に、バザール横の木の荷車にフランスパンが山積みになっていたのを見て、驚きましたが、以前フランスに統治されていたことを思い出し、納得しました。隣のカンボジア、その隣のベトナムの然りです。
ベトナムの有名な、あのコンデンスミルクをいっぱい入れた甘―いコーヒーにフランスの強い影響を感じました。

それから、日本だと、「手で食べることは、良くないこと」とされています。最近はグローバリズムの関係で少し変わりつつありますが、インドをはじめアジアの人たちにとっては手で食べることが普通です。
そのことについて彼は、「道具を使う方がより進んでいるといった誤解を与えがちだから書いておきたいのだが、当然ながらどちらが上ということではない、これこそ文化の違いなのである。指でも味わうのだ」と言いきっている。そういう記述が、この本を気に入った理由の1つのでもあります。
実際、インドの人たちとアフガンの人たちでは、同じように指で食べているように見えますが、使っている指の部分が違います。それが、それぞれの人たちの伝統・文化なんだと思います。

彼は書いていないが、大便の始末もそうだ。インドの友人が初めて日本に来た時に一番心配だったのが、「大便の後に尻を水で洗ってきれいにできるかどうか」だった。
聖と濁との文化的感覚の違いだと思います。

日本人は、「お尻を手で洗うのは、汚い」と思うが、紙でいくら拭いても、汚れが限りなく0に近づくだけで、0にはならないかもしれない。水で洗えば即座に0になる。つかった左手は、石鹸で洗えば良いのだ。後でガスでも出せば、また汚れますが。
その友人は、我が家で使っていたウオシュレットを使用してみて、目を丸くしていました。
先日見たテレビでは、日本に留学していた東欧の女性が帰国時にウオシュレットを持ちかえり、みんなに喜ばれていました。

タイ、マレーシア、シンガポールに行く予定の方、または行ったことのある方、つまり興味のある方に絶対お勧めの1冊です。でも、古い本なので、もう売っていない場合はごめんなさい。

中古品を、Amazonで売っていました。
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はるばる屋 店主

Author:はるばる屋 店主
はじめまして はるばる屋店主です。

大学を卒業して、スイスに山を見に行き、安いというだけの理由で、陸路でアジア経由で日本に帰ってきました。
途中で垣間見た現地の人々の生活や習慣に非常に興味を持ち、

もっといろいろ知りたい

それにはもう一度行かねばならない

そうだアジアに関わる仕事をすれば良い

という三段論法と、

アジアの素晴らしさをもっと他の人にも伝えたい、それにはどうするか?

そうだ!現地に行って商品を買ってきて売る商売をすれば、自分はアジアに行けるし、彼らの文化・技・手のぬくもりを伝えられる。

などと考えて始めたこの商売。
気が付けば、もう30年以上も経ってしまいました。

アフガニスタンで何かあると、「あのおっさんは大丈夫だろうか?」、タイで爆破事件が起きると、「あの場所は、タイに行くと何回も利用する船着場」とか、何時もアジアのことを意識しています。
昨今、ベリーダンス、ヨガなどに人気が出てきました。でも、アメリカ経由の流行という感じもします。まっすぐアジアに興味を持って、好きになってくれる人たちが増えると嬉しいです。

はるばる屋のホームページは、http://www.harubaruya.com/ です。
ネットショップでのお買い物は、こちらからお願いいたします。
BBSでは、アジア関係の催し物の書き込みもご覧いただけます。

よろしくお願いいたします。

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