ベリーダンス

初めてベリーダンスを観たのは、40年ほど前にイスタンブールで駐車場に止めた車に寝泊まりしていた時に、駐車場の管理人のオヤジに、「明日は共産党員狩りのために戒厳令が敷かれるので、外に出られないぞ」と教えてもらった。トイレにも行けなくなってしまっては困るので、やむなく近くのホテルに避難しました。たいして高いホテルではなかったのですが、食事のためにレストランに行ったら、ベリーダンスをやっていたので、観てしまったのです。「世の中にこういう踊りもあるものだ」と、若かった僕には非常に刺激的でした。
当日窓から外を眺めていたら、戦車なども出動していて、かなり大規模にやっていました。「車の中で寝ていたらどうなったんだろう?」と思わざるを得ませんでした。

ベリーダンスと聞くと、トルコ、エジプト、中東あたりで女性によって踊られるセクシーな踊りを想像すると思います。確かにトルコでの始まりはロマ(ジプシー)の女性が小金を集めのために街外れで踊り、やがて宮廷でも踊られるようになり、やがて市内のキャバレーのようなところで踊るようになって大衆化していったことから考えると、男性の歓心をかうための踊りだったと思います。そんなことから、基本的には女性の踊りなのかもしれませんが、男性のダンサー、先生がいることはあまり知られていません。イランのベリーダンスのレッスンヴィデオで、胸毛丸出しで女性のように踊るベリーダンスの先生を初めて観た時はギョッとしましたが、ドイツにも高名な男性ベリーダンサーがいますし、日本でも男性ダンサーだけの発表会が行われたりしています。当然、インド古典舞踊でも男性のグル(師匠)がたくさんいます。
このように踊りのジャンルとして中東で確立されたベリーダンスですが、今世界にベリ―ダンスを発信しているのは、アメリカになりました。さすがアメリカは世界に影響を与える国です。そして、アメリカのベリーダンスは、「ロマの出身地はどこだ?、インド、パキスタン、アフガニスタンあたりの遊牧民(クチだ)」ということになり、インドの刺繍の衣装を着た「トライバルベリーダンス」をいうものをはじめ、それをフュージョン系の音楽で踊る「トライバルヒュージョン」になり、ポリネシアと一緒になり、”Berineshian”が生まれ、インドの”Bollywood”につなげ、“Bellywood”というのまで踊り出しました。この先はどうなるのか?興味はあるけど、実は、僕としては、本来のものからあまり外れて欲しくないと思っています。

トルコ、エジプト、レバノンなどのベリーダンスと、アメリカのそれをDVDで見比べてみると、ショービジネスが発達しているアメリカの方が、「魅せ方」を知っている分、魅力を感じさせます。テクニックはエジプトのダンサーの方が上でも、なぜか「ダサい」と感じてしまいます。イスラム圏では、このように少しセクシーな踊りを観るチャンスが少ないので、現地ではそれでも十分受けるのかもかもしれません。それとも、エジプトではダンサーがお腹の素肌を見せないように薄い布、ネットで隠していることから考えると、あまり「魅せる」ことはご法度なのかもしれません。

「わたしはアメリカのベリーダンスは好きではない」と言って、エジプト、トルコに習いに行っているベリーダンスの先生やダンサーの人たちもいますが、今世界で一番有名なのは、アメリカの「スーパースターズ」というグループです。日本でも、インドでも中国でさえも公演をしています。そこに出演しているダンサーたちももちろん知名度が上がり、何人ものダンサーが何度も来日して、ワークショップをやり、ショーをしています。古参のダンサーは、自分でもグループを作り、今年は日本公演を果たしました。

この10年くらい前から、日本でも、「ウエストがくびれる」、「健康に良い」ということで、ベリーダンスを習う人が増えてきました。フィットネスよりは、無理な動きが少ないので、身体を壊すこともないようですが、インナーマッスルが鍛えられることは、ベリーダンサーのお腹を見ると分かります。腹筋がきっちり分かれているベリーダンサーもいます。
しかし、エジプト、レバノン、アメリカの第一線で活躍するダンサーが全然痩せないことを考えると、ダイエット効果はあまりならないような気がします。

フィットネスクラブ、カルチャークラブでも、先生を呼んできてレッスンを開講しています。立派に市民権を得たということになるのかもしれません。

15年以上前にトルコでヴィデオを見つけてきて、日本では見られないPALシステムのヴィデオを、日本用のNTSCシステムに換えて、店で売り始めた時には、誰からも見向きもされなかったことを考えると、ウソのようです。

あのサンバの国・ブラジルの富裕層にも浸透し始めたようで、「サンバを踊るのは、一般庶民」だそうです。
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プロフィール

はるばる屋 店主

Author:はるばる屋 店主
はじめまして はるばる屋店主です。

大学を卒業して、スイスに山を見に行き、安いというだけの理由で、陸路でアジア経由で日本に帰ってきました。
途中で垣間見た現地の人々の生活や習慣に非常に興味を持ち、

もっといろいろ知りたい

それにはもう一度行かねばならない

そうだアジアに関わる仕事をすれば良い

という三段論法と、

アジアの素晴らしさをもっと他の人にも伝えたい、それにはどうするか?

そうだ!現地に行って商品を買ってきて売る商売をすれば、自分はアジアに行けるし、彼らの文化・技・手のぬくもりを伝えられる。

などと考えて始めたこの商売。
気が付けば、もう30年以上も経ってしまいました。

アフガニスタンで何かあると、「あのおっさんは大丈夫だろうか?」、タイで爆破事件が起きると、「あの場所は、タイに行くと何回も利用する船着場」とか、何時もアジアのことを意識しています。
昨今、ベリーダンス、ヨガなどに人気が出てきました。でも、アメリカ経由の流行という感じもします。まっすぐアジアに興味を持って、好きになってくれる人たちが増えると嬉しいです。

はるばる屋のホームページは、http://www.harubaruya.com/ です。
ネットショップでのお買い物は、こちらからお願いいたします。
BBSでは、アジア関係の催し物の書き込みもご覧いただけます。

よろしくお願いいたします。

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